2013年5月25日土曜日

nasneの活用: DiXiM BD BURNER 2013

 しばらくです。 先週は横須賀にあるJAMSTECの一般公開へ行ってきました。

……が、今回の本題はそれではなく。
(いやだって、見てきて自分の不勉強さに色々とダメージ受けましてね)
 その帰り道に買った、nasneの録画を焼くことのできるPC用Blu-rayドライブの話題です。

 nasneは、プレイステーションでおなじみSCE社から発売されている、ハードディスクレコーダー兼メディアストレージです。
 TV放送を録画し、単体では再生できませんが、あらゆる機器とLANで連携して再生させることができます。

 再生可能機器が多い一方で、番組をBlu-rayディスクに記録する方法はソニー製PCのVAIOに限られていました。
 ただしこれは販売戦略上縛りをかけているわけではなく、nasneからのダビングは通常のDLNAと異なり「ダウンロード型ムーブ」に対応している必要があり、その環境が限られているためでした。
 そして、任意のPCでnasneの動画をBlu-rayにダビングするためのソフトがあると聞き、バンドルされているドライブごと買って来ました。
 BUFFALOのBRXL-16FBS-BKという機種です。なんでもBD-Rメディアのメーカー保証よりも高速に書き込みができるのが特徴だそうです。自分のPCはミドルタワーなので、SATA接続の内蔵型を買いました。
 nasneからのダビングには、同梱のDiXiM BD BURNER 2013というライティングソフトを使います。
 ちなみにドライブの部分はLG製のBH16NS48という機種です。

 それぞれの製品のメリットは各自ググっていただくとして、ここでは実際に使ってみて苦労した点を挙げます。

  • 初期不良がありました
現状をご報告。ドライブの個体不良と推定。民生品では時々あるお話よね。... on Twitpic
 あー、少々刺激的な写真で申し訳ない。
 最初に買ったドライブは、ダビングをするとメディアに10GB前後書き込んだあたりでエラーを頻発。
 何回か条件を変えて試していたところ、ついにはディスクが粉砕してしまいましたとさ。
 推測ですが、症状からするとおそらく回転面の水平精度が不十分だったものと思われます。
 また、ビデオのダビングに使うBDAVフォーマットは通常のデータ書き込みに比べてドライブへの負荷が大きいらしく、データディスクを作成する際には特に問題がありませんでした。このためメーカーの検査をすり抜けてしまった可能性があります。

 ただ、ネット上でこのような症例報告はほとんど見られず、自分が低い確率でハズレを引いたとも考えられます。
 量産品の品質を保つというのは難しい問題で、それを補償するために初期不良交換という仕組みがあります。
 お店でドライブを交換してもらい、ダビングのテストを再開。

  • 回線が安定している必要があります
 新しいドライブに交換してダビングしたところ、エラーメッセージはほとんど出なくなりましたが、ディスクの記録面が少々傷っぽい。
 調べてみると、nasneとPCとの通信回線が遅いとエラーが発生しやすいとのこと。
 ダメモトで、ネットワークハブを1000BASE-Tのものに買い替え、PCのLANケーブルをPS3付属のCat.6規格品に交換してみました。
 するとなぜか、ディスクの傷が激減。ただし、書き込みにかかる時間はほとんど減りません。
 おそらくは通信のエラー頻度が減ることによって書き込みの滞りも減るものと思われます。

 ギガビットルーターが普及していないのでギガビットハブの必要性を感じていなかったのですが、このようなダビング用途の場合、ハブ周りだけギガビットにして、そこへPCとnasneをつなげばOKです。

  • 機器の負荷を減らす必要があります
 滞りをなくす必要があるのは、機器間の通信回線だけではありません。PCとnasneの処理負荷にも考慮が必要です。
 PCは性能にもよりますが、ダビング中はなるべく他の処理を実行しないほうが良いです。
 自分のPCはPhenom II X6 + AMD790GX(DDR2)という偏った構成なので、CPU負荷は少ないのですが、どうやらBDAVフォーマットがバスの転送速度によっては厳しい場合があるようです。
 BDAVフォーマットは書き込みに時間がかかると言われていますが、自分の環境では30分番組を1クール書き込むのに90分以上はかかるので、それにしても遅すぎる気はします。何か別の原因があるかもしれませんが。(未検証です)
 なお、Blu-rayでは関係ないのですが、DVDメディアにAVCRECフォーマットで書き込む際にはIntelのCPUが必要だそうです。AVCRECを再生できる機種は少ないので大した問題ではありませんが、なんだか損した気分ではあります。

 nasneのほうは、ダビング中に番組を録画しないことが推奨されていますが、録画だけでなく他の機器で再生することもやめたほうがいいでしょう。
 いちおうnasneには2機器に対して同時ストリームする能力はありますが、BDAVの書き込みはささいなことで失敗する場合もあるので、ダビング中の再生はやめたほうが無難です。

  • 書き込み速度の調節ができません
 通常のライティングソフトには書き込み速度の設定項目があり、書き込みがうまく行かない場合は速度を落として試してみることができます。
 しかし今回のDiXiM BD BURNERにはそれがなく、ドライブのファームウェアが指定する最大の速度でのみ書き込もうとします。
 ですので今回買ったドライブのように、メディアメーカーの推奨書き込み速度よりも速く書き込もうとするドライブではリスクの高まる可能性があります。
 交換してもらった後は、今のところドライブ起因の書き込みエラーは発生していませんが……。
 ネット上のレビューを見ると、6倍速ドライブで自分よりも高速に書き込めている報告もあるようですので、この仕様がかえって書き込み時間を長くしている可能性もあります。(未検証です)

  • 操作で分かりづらい点
 正直申し上げて、DiXiM関連のメッセージは分かりづらい、あるいは誤解を招く表現が多く見られます。

 nasneのシステム(ファームウェア)を1.71にアップデートした場合、DiXiMのバージョンもアップデートする必要があります。
 BUFFALOバンドル版の場合、BUFFALOのサイトへ行くとアップデータが掲載されており、「(DiXiMを)アンインストールしてからアップデートしてください」と書いてあるのですが、実際にアンインストールするとアップデートできません。
 タスクバーの通知領域にあるDiXiMの常駐アイコンを右クリックで終了させてからアップデートするのが正しいやり方です。

 アップデート後にDiXiMを起動し、ブランクのBD-Rメディアをドライブに入れると「書き込み不可能なディスクです」というメッセージが表示され、面食らいます。
 しかし実のところ、このメッセージは単にディスクが未フォーマットであることを意味しています。左下の「フォーマット開始」ボタンを押せばフォーマットが可能です。

 nasneから番組をダビングする際は、上の「ダウンロード」を押してから、左に現れるツリー中の番組をチェックしていきます。
 しかし時々このツリーが表示されない場合があります。その場合は「書き込み」→「ダウンロード」と押し直したり、DiXiMのウィンドウを一旦閉じてから再起動したりします。

  • まとめ
 このように、nasneの録画をDiXiMでダビングするには癖があり、少々手間がかかります。
 正直言って「録って、見て、ダビングする」だけであればエントリークラスのBDレコーダーを買った方がラクでしょう。
 しかしnasneには、比較的安価に様々な機器と連動できるというメリットがあり、nasneを中心として考えた場合にDiXiMは有用な録画保存手段と言えそうです。

1 件のコメント:

  1. 補足情報:
     最新のバージョン(1.0.17.0)では逆に、ダウンロードサイトの説明どおりに一旦アンインストールしないとアップデートできない仕様になっておりました。

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